カーボンフレームチューニング

2017/07/21
目に見えない内部剥離を補強します
 

超音波探傷診断によるウィークポイントの調査
 

例1:BMC SLT01

外観上は全く問題のないカーボンフレームでも使い方や荷重などによって、ストレスがかかっている箇所がある可能性があります。それらを補強(カーボンチューニング)する事によって、さらに性能を引き出し、安定した走行に貢献します。
 

1)シートステー上方結合部の修理と合わせて超音波探傷診断をご依頼。

2)表層は軽微な印象でしたが、診断結果から内部剥離を表す数値を検出。

3)さらに各所診断していくと、その上部周辺でも内部剥離と思われる数値を検出。

※IMAGE7は正常と思われるデータに対して、6と8は明らかに異常を示すデータになっています。

※この部分は路面からと体重の双方の負荷がかかるところで、形状からも負担が大きい事が伺えます。

4)補修と同時にカーボンチューニングを実施。

※このように目視では判断できない場合でも超音波探傷診断機を使用する事によって、弱くなっている箇所(ウィークポイント)を探しだす事が可能です。レースやロングライドによく使用されるユーザー様にはお勧め致します。

※損傷していなくても超音波探傷診断を実施する事で、フレーム特性を理解する参考データにもなります。
 

例2:KESTREL AIRFOIL PRO SL
 

トライアスロンに限らず、レースに使用しているとどうしても使い方や体重などの負荷によって、フレームにウィークポイントがある(出来る)場合があります。外観上では全く分からなくてもタイムや疲労度に影響しているかもしれません。それらを補強(カーボンチューニング)する事によって、本来の性能(もしくはそれ以上)を引き出してダイレクト感が増し、パワーロスを改善するでしょう。
 

※チェーンステー左側のクラック修理と合わせて超音波探傷診断をご依頼。

※フレーム全体を検査してみると、シートステー上部結合部全周に渡って、内部剥離していると思われるデータを検出。

1)正常と思われる測定ポイント11と比較すると9/10では内部剥離と思われる数値となっている。

2)同様に正常と思われる21と比べると20も内部剥離と思われる数値になっている。

3)これらの事からこの接合部全周に渡ってウィークになってきていると推測されます。

4)例1と同じような事象ですが、路面と体重の双方の負荷がかかり、デザイン形状からも負担が大きくなっているようです。

※チェーンステーの補修と同時にシートステー部の補強を実施します。

※今回はチェーンステー修理のタイミングで超音波探傷診断をご依頼されましたが、使用されてくると”へたり”が生じる場合もあるようです。レースやタイムトライアルなど参加されている方には損傷がなくとも、まずは診断する事をお勧め致します。ユーザー様の使用負荷がどのように影響しているかを確認致します。カーボンフレームだからこそ可能なチューニングメソッドです。